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かいごの窓口の記録3

全国展開奮闘記 #2|ケアマネの仕事を、書類を終わらせる仕事にしたくない

記録や転記に追われる働き方を変え、ケアマネジャーが利用者や家族との対話、連携、支援の判断に時間を使える環境をどうつくるか。かいごの窓口の取り組みを紹介します。

執筆:三浦 亮|かいごの窓口

全国展開奮闘記 #2|ケアマネの仕事を、書類を終わらせる仕事にしたくない

前回は、かいごの窓口で「ケアマネジャーが一人で何とかしなくていい場所」をつくりたいということを書いた。

今回は、ケアマネジャーの時間の使い方について書きたい。

ケアマネジャーの仕事には、記録、モニタリング、ケアプラン、担当者会議の要点、提供票、事業所との連絡など、多くの書類や事務作業がある。

どれも支援に必要な仕事ではある。

ただ、書類を作ること自体が仕事の中心になり、利用者さんのことを考える時間や、ほかのケアマネジャーへ相談する時間が後回しになってしまう状態は変えていきたい。

訪問を終えて事業所へ戻り、その日のことを思い出しながら記録を書く。紙に残したメモを別のシステムへ入力する。同じ内容を複数の書類へ転記する。

一つひとつは小さな作業でも、担当する利用者さんの人数が増えるほど、その積み重ねは大きくなる。

忙しい日には、利用者さんや家族から聞いた大切な話を忘れないようにしながら、次の訪問や電話対応へ向かわなければならない。

夕方になってから、何人分もの記録をまとめて作ることもある。

こうした働き方を、ケアマネジャー個人の頑張りだけで解決したくないと思っている。

入力が速い人になることや、残業して書類を終わらせることを求めるのではなく、そもそも同じ情報を何度も入力しなくてよい仕組みをつくる。

訪問直後に音声で残した内容を、支援経過記録の下書きにつなげる。FAXで届いた書類を紙のまま回さず、必要な人が確認できる状態にする。利用者さんに関する記録や申し送りを一つの場所に集め、相談するときに最初から説明し直す手間を減らす。

かいごの窓口では、CareSpaceを使いながら、こうした業務のデジタル化を進めている。

目指しているのは、単にパソコンやAIを使う事業所ではない。

AIが記録の下書きを作り、人が内容を確認する。仕分けや転記のような作業はシステムに任せ、ケアマネジャーは状況を整理し、判断し、必要な人と話す。

人が行う仕事と、システムに任せる仕事を分けることで、ケアマネジャーが本来の仕事に集中できる環境をつくりたい。

もちろん、システムを導入しただけで、翌日からすべての業務が変わるわけではない。

現場で使いにくい部分があれば直す必要があるし、これまでの仕事の流れを変えるには時間もかかる。便利な機能を増やしても、実際に使われなければ意味がない。

だから、かいごの窓口では、現場で働く人の声を聞きながら、必要な仕組みを一つずつ整えていく。

「この入力はなくせないか」

「この書類は、別の記録から作れないか」

「この情報を、担当者だけでなくチームで確認できないか」

これまで当たり前に行ってきた作業を、そのまま受け入れずに見直していきたい。

ケアマネジャーの仕事を、書類を終わらせるための仕事にしたくない。

利用者さんの生活を考え、本人や家族と話し、必要な人と連携し、より良い支援を組み立てる。

そのために使える時間を少しでも増やすことが、かいごの窓口でつくりたい働き方だ。

この仕組みを山形の一つの事業所だけで終わらせず、地域が変わっても続けられる形にしていく。

それが、かいごの窓口を全国へ広げていくために必要なことだと考えている。

次回は、資格を持ちながら現在ケアマネジャーとして働いていない方が、もう一度仕事を始めるときに感じる不安と、かいごの窓口で用意したい復職支援について書く予定だ。


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