全国展開奮闘記 #3|ケアマネ復職の不安を減らすために、今つくっている仕組み
ブランクがあるケアマネジャーが安心して復職するために必要な支援とは。かいごの窓口が全国展開に向けて設計しているOJT、相談体制、AIを活用した業務支援について紹介します。
執筆:三浦 亮|かいごの窓口

ケアマネジャーの資格を持っていても、出産や育児、介護、転職などをきっかけに現場を離れ、その後の復職に迷っている方はいる。
もう一度ケアマネジャーとして働きたい気持ちはあっても、制度の変更、書類作成、担当ケースへの責任、仕事と家庭の両立など、さまざまな不安が最初の一歩を重くする。
かいごの窓口を全国に広げるためには、現在働いている経験者を採用するだけではなく、資格や経験を持つ方が安心して現場へ戻れる環境をつくることも必要だと考えている。
今回は、全国展開奮闘記の第3回として、かいごの窓口がこれから整えたい復職支援について紹介する。
ケアマネジャーへの復職で感じやすい不安
ブランクがある方の不安は、単に「仕事を覚えているか」という問題だけではない。
- 制度や運営ルールの変更についていけるか
- ケアプランや支援経過記録などの書類を作成できるか
- 担当を持ったあと、難しい判断を一人で抱えないか
- パソコンや新しい業務システムを使えるか
- 家庭と両立しながら働き続けられるか
資格があることと、初日から迷わず仕事ができることは別だ。
そのため、「ブランクがあっても歓迎します」と求人に書くだけでは十分ではない。入職後に、どのような順序で仕事を覚え、誰に相談できるのかまで具体的にする必要がある。
かいごの窓口の復職支援は、まだつくっている途中
正直に言えば、かいごの窓口の復職支援は、すでに完成した制度ではない。
現在は、全国のどの地域でも再現できる受け入れ方を目指し、必要な仕組みを一つずつ設計している。
特定の管理者や先輩職員の経験だけに頼ると、教える内容や支援の質に差が生まれる。全国展開を目指すからこそ、誰が受け入れを担当しても、復職する方が一定の安心を持てる形にしなければならない。
採用人数や拠点数を増やす前に、働き始める人を支えられる土台をつくる。それが今の課題の一つだ。
30日間を目安とした実務OJTを設計する
現在検討しているのは、30日間を一つの目安とした実務OJTだ。
初日からすべてを任せるのではなく、次のような段階を想定している。
- 業務の流れや情報の確認方法を知る
- 先輩職員の業務に同行し、実際の進め方を見る
- 書類作成や連絡調整を一緒に行う
- 実施した内容を振り返り、不明点を確認する
- 習得状況を見ながら、段階的に担当業務を広げる
これは、最初から完璧にできることを求めるのではなく、必要な知識と感覚を実務のなかで取り戻すための期間だ。
具体的な期間や内容は、実際の運用を通じて検証し、改善していく必要がある。
AIやシステムは、復職時の負担を減らす道具になる
復職する方にとって、書類の作成方法や情報の保存場所が人によって異なる環境は、大きな負担になる。
かいごの窓口では、CareSpaceを活用し、利用者情報や記録、連携に必要な情報をできるだけ一つにまとめることを進めている。
AIによる記録作成の補助も活用し、文章を一から作る負担を減らす。ただし、AIが支援方針や専門的な判断を決めるわけではない。最終的な確認と判断はケアマネジャーが行う。
システムに任せられる作業を減らし、人は利用者や家族との対話、関係機関との調整、支援の判断に時間を使う。
この環境は、日々の業務効率化だけでなく、ブランクがある方が仕事の流れをつかみ直すためにも役立つと考えている。
復職支援で最も大切にしたいのは「一人にしないこと」
手順書や研修を用意しても、実際の支援では想定どおりにいかない場面が必ずある。
難しいケースへの対応、家族との関係、他職種との調整など、迷いが生じたときに一人で抱え込まない体制が必要だ。
復職支援は、業務の水準を下げることではない。
必要な力を段階的に身につけられること、分からないことを確認できること、判断に迷ったときに相談できること。その環境を用意しながら、専門職として安心して成長できる状態をつくることだ。
全国に広げられる復職支援へ
かいごの窓口の目標は、信頼される居宅介護支援の窓口を全国につくることだ。
そのためには、サービスやシステムだけではなく、働く人を支える仕組みも全国で再現できるものにしなければならない。
今回書いた内容は、完成した取り組みの紹介ではなく、今まさに形にしようとしている計画だ。
実際に運用するなかで、不足している部分や、想定どおりに進まないことも出てくると思う。その経過も含めて公開し、改善を重ねていく。
資格を持ちながら復職に迷っている方が、「ここなら一度話を聞いてみたい」と思える事業所をつくること。それが、全国展開に向けた大切な一歩になる。
次回は、復職後の最初の30日間に何を学び、どのように仕事の範囲を広げていくのか、現在考えているOJTの内容をさらに具体的に紹介する。
ケアマネジャーとしての復職や、かいごの窓口での働き方に関心がある方は、採用ページをご覧ください。応募を決めていない段階でのご相談も歓迎します。
採用情報: https://www.kaigo-madoguchi.jp/careers
地域でかいごの窓口を運営することに関心がある方は、パートナー・FC情報をご覧ください。
パートナー・FC情報: https://www.kaigo-madoguchi.jp/partnership
かいごの窓口で働くことに関心がある方へ
現在ケアマネジャーとして働いている方も、資格を持ちながら別の仕事をしている方も、まずは仕事内容や働き方を知るところからで大丈夫です。
