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かいごの窓口の記録5

全国展開奮闘記 #4|ケアマネ復職後30日間のOJTをどう設計するか

ブランクのあるケアマネジャーが安心して復職するために、最初の30日間をどう支えるか。かいごの窓口が検討している同行、書類作成、担当開始、振り返りのOJT案を紹介します。

執筆:かいごの窓口編集部

全国展開奮闘記 #4|ケアマネ復職後30日間のOJTをどう設計するか

前回は、ブランクのあるケアマネジャーが復職するときに感じる不安と、かいごの窓口で整えたい支援について書いた。

今回はその続きとして、復職後の最初の30日間に何を学び、どのように仕事の範囲を広げていくのか、現在考えているOJT案を具体的に整理する。

最初に明確にしておきたいのは、これはすでに完成し、全拠点で運用している制度ではないということだ。

かいごの窓口を全国へ広げるために必要な受け入れの型として、これから現場で検証し、改善していく設計案だ。

復職初日から「一人前」を求めない

ケアマネジャーの資格や経験があっても、現場を離れていた期間があれば、不安があるのは自然なことだ。

制度の変更、事業所ごとの仕事の進め方、使用するシステム、地域の関係機関。以前の経験を生かせる部分がある一方で、改めて確認すべきことも多い。

初日から担当ケースを渡し、「経験者だから分かるはず」と任せれば、分からないことを聞けないまま抱え込む可能性がある。

復職支援で必要なのは、仕事の水準を下げることではない。必要な力を取り戻す順序を明確にし、確認できる環境を用意することだ。

1週目:業務の全体像と相談先を知る

最初の1週間は、細かな作業をすべて覚えるより、業務全体の流れと「困ったときに誰へ聞くか」を理解する期間にしたい。

  • かいごの窓口が大切にする支援方針
  • 一日の業務の流れ
  • 利用者情報や書類の保存場所
  • 記録、連絡、予定管理の方法
  • 個人情報の取り扱い
  • 判断に迷ったときの相談経路

先輩ケアマネジャーの訪問や連絡調整に同行し、実際の仕事を見る。説明だけで覚えるのではなく、「この場面では何を確認しているのか」をその日のうちに振り返る。

1週目の目標は、一人で業務を完結させることではない。事業所の仕事の流れが分かり、分からないことを相談できる状態になることだ。

2週目:書類作成と連絡調整を一緒に行う

2週目は、実際のケースを題材にしながら、書類作成や関係機関との連絡を先輩と一緒に行う。

支援経過記録、モニタリング、ケアプランなどは、様式を埋めるだけではなく、確認した事実と専門職としての判断を分けて記録する必要がある。

完成例を見せて終わるのではなく、どの情報を参照し、なぜその表現にしたのかを一緒に確認する。

CareSpaceによる記録作成の補助も活用する。AIに文章の下書きや情報整理を任せながら、事実関係、固有名詞、日時、支援方針を本人が確認する。

システムを使えることより、どこを人が確認しなければならないかを理解することを重視する。

3週目:一部の業務を担当し、必ず振り返る

3週目は、習得状況を確認しながら、一部の業務を本人が中心となって進める段階を想定している。

ただし、任せたら終わりにはしない。

  • 訪問前に確認すること
  • 訪問中に聞くこと
  • 訪問後に記録すること
  • 関係機関へ共有すること
  • 次回までに行うこと

これらを事前に整理し、実施後に振り返る。

うまくできたかだけではなく、迷った場面、時間がかかった作業、判断に自信が持てなかった点を確認する。分からなかったことを評価のマイナスにせず、次に確認すべき課題として扱うことが重要だ。

4週目:担当開始の準備を個別に判断する

30日目が来たら、全員が同じ件数を担当するという仕組みにはしたくない。

経験年数、ブランクの期間、家庭の状況、得意な領域、習得の進み方は人によって異なる。

4週目は、これまでの振り返りをもとに、どの業務なら一人で進められるか、どこには確認が必要かを整理する期間とする。

担当を始める場合も、最初から過度な件数を持つのではなく、ケースの状況を見ながら段階的に広げる。難しい判断や緊急対応については、30日を過ぎても相談できる体制を残す。

OJTの終了は「もう質問してはいけない日」ではない。

毎日の短い振り返りと、週ごとの確認を組み合わせる

復職直後は、小さな疑問をその日のうちに解消できることが大切だ。

長い面談を毎日行うことは現実的ではないため、日々の短い振り返りと、週ごとの確認を組み合わせたい。

日々の振り返りでは、できたこと、迷ったこと、翌日確認することを短く共有する。週ごとの確認では、習得状況と次週に取り組む業務を決める。

教える側の記憶だけに頼らず、チェック項目と振り返りを記録し、本人と受け入れ担当者が同じ進捗を見られる形にする必要がある。

全国で再現でき、個人には柔軟である仕組みへ

全国展開に必要なのは、すべての人へ同じ進め方を押しつけるマニュアルではない。

最低限確認すべき内容、相談体制、振り返りの流れは共通にする。一方で、担当を始める時期や業務の広げ方は、本人の状況に合わせる。

共通の土台と、個別の柔軟性。その両方が必要だと考えている。

今回の30日間OJT案も、実際に運用すれば不足が見つかるはずだ。教える側の負担が大きすぎる部分、本人が不安を感じやすい場面、30日では足りない内容も出てくるかもしれない。

その結果を隠さず、この奮闘記に残しながら改善する。

ケアマネジャーとしてもう一度働きたい方が、最初から完璧でなくても一歩を踏み出せること。働き始めたあとも、一人で抱え込まないこと。

その仕組みをつくることが、かいごの窓口を全国へ広げるための土台になる。

次回は、このOJTを教える人の経験だけに依存させないために、相談体制と業務の標準化をどのように設計するかを書きたい。


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