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かいごの窓口の記録4

全国展開奮闘記 #10|最初に採用する人と、事業所を一緒につくる

新しい居宅介護支援事業所で最初に迎えるケアマネジャーを、一人で背負わせず、地域で事業所を一緒につくる仲間として迎える考え方を紹介します。

執筆:かいごの窓口編集部

全国展開奮闘記 #10|最初に採用する人と、事業所を一緒につくる

前回は、全国に広げるときに、本部が引き取る仕事と、地域に残す判断をどのように分けるかについて書きました。

共通の土台をつくる一方で、地域の暮らしに近い判断は、現場に残したい。

そのことを考えると、次に大切になるのは、拠点をつくるときに最初に一緒に働く人を、どのように迎えるかだと思います。

最初の一人は、単に担当件数を増やすための採用ではありません。

地域で利用者様やご家族、医療機関、事業所と関わりながら、その拠点らしい支援の形をつくっていく人でもあります。

だからこそ、「すぐに一人で回せる人」を探すだけでは足りないと感じています。

最初に採用する人は、現場の最初の相談相手になる

新しい拠点を考えるとき、早く事業所を安定させるためには、経験があり、すぐに担当を持てる人が必要だと思います。

もちろん、経験は大切です。

ただ、居宅介護支援の仕事は、担当件数だけでは成り立ちません。

地域の医療機関やサービス事業所を知る。地域包括支援センターと関係をつくる。利用者様とご家族が、どのような暮らしを続けたいと考えているかを受け取る。制度の中だけでは決められないことを、一緒に考える。

最初に入る人は、利用者様に近い場所で、地域に必要な支援を見つける人になります。

同時に、本部がつくった仕組みが現場で使いにくくなっていないかを教えてくれる、最初の相談相手でもあります。

本部が決めたことをそのまま伝えるだけでは、地域の支援は育ちません。

使いにくいところ、足りないところ、地域では別の考え方が必要なところを、一緒に確かめながら拠点をつくっていきたいと思います。

「できる人」に任せすぎない

経験がある人ほど、周囲が困っていることに気づき、自分で仕事を引き受けてしまうことがあります。

地域の関係者との調整、難しいケースの相談、書類の確認、新しく入る人への説明。できる人に仕事が集まれば、事業所は一時的には回るかもしれません。

しかし、その人だけが地域のことを知り、その人だけが判断できる状態になれば、次の人を迎えられなくなります。

かいごの窓口を全国へ広げるのであれば、最初に入る人にも、一人で背負わせない仕組みが必要です。

確認すべきことを整理する。迷ったときに相談する先を決める。担当を持つ順序を一緒に考える。地域で得た情報や判断の理由を、次の人も使える形で残す。

本人の経験に頼り切るのではなく、その経験を事業所の力に変えていきます。

採用は、できあがった職場へ迎え入れることだけではない

新しい拠点には、まだ決まっていないことがあります。

地域のどの関係者と、どのように連携していくのか。最初の相談を受けたとき、どこまでを事業所で担い、どこから地域の力を借りるのか。利用者様やご家族に、どのような場として知ってもらうのか。

すべてを本部が先に決めてから、採用した人に渡すことはできません。

だから、最初に入る人には、完成した職場へ来てもらうのではなく、地域の中で事業所を一緒につくっていく仲間になってもらいたいと思います。

もちろん、曖昧な状態をそのまま渡すという意味ではありません。

働き方の土台や、相談できる流れ、情報を残す場所、本部が支える範囲は、できるだけ先に整える。その上で、地域でしか見えないことは、現場の声を聞きながら一緒に決めていきます。

最初の一か月で、担当件数だけを見ない

新しく入った人が働き始めるとき、最初の一か月は、担当件数や書類の進み方だけで判断しないようにしたいと思います。

地域の地図をどのように見たか。どの関係者と話したか。どの場面で迷ったか。利用者様やご家族から、どのような相談があったか。今の仕組みで確認しにくいことはなかったか。

こうしたことを短く振り返る時間を持ちます。

困ったことが出たときに、「慣れれば大丈夫」で終わらせず、本人の経験で解けることなのか、仕組みの方を変えた方がよいことなのかを分けて考えます。

最初の一か月に出てくる小さな違和感は、次に採用する人や、次につくる拠点のための大切な判断材料になります。

CareSpaceも、利用者情報や記録を置くだけの仕組みではなく、相談したことや次に確認することを、必要な人が追える土台にしていきます。

誰かが休みの日でも経緯をたどれる。担当者だけが知っていることを減らす。地域で得た気づきを、次の判断につなげる。

そのために、現場の声を受け取って、仕組みの方を変え続ける必要があります。

一緒に事業所をつくる人を、地域で迎えたい

かいごの窓口は、まだ全国の拠点がそろっているわけではありません。

今は山形での居宅介護支援と事業運営を土台に、どのような人と、どのような順序で地域へ開いていくのかを考えている段階です。

最初に採用する人に、すべてを任せるのではない。

本部が引き取るべき仕事を整え、相談できる人と場所をつくり、地域でしか分からないことは一緒に学ぶ。

その繰り返しの中で、利用者様とご家族が安心して相談でき、ケアマネジャーも一人で判断を抱え込まない事業所を増やしていきたいと思います。

次回は、最初の一人が地域で孤立せず、相談先を増やしていくために、開業前からどのような関係づくりを始めるのかを書きます。


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